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七面天女

七面天女弁財天来迎之図
(しちめんてんにょべんざいてんらいごうのず)

 思親閣においていただいて、半年ほど過ぎた七月のことです。本堂でお参りをしていますと、私の目の前に、三人の女の神さまがお立ちになりました。三人とも、薄桃色の衣に赤い袈裟を着けておられました。

 のちに、このお方こそが、法華経の守り神である、七面天女だったと知らされました。
 左右の姫は、木花開耶姫のお子様と結婚された豊玉姫と、そのお子様を育てた妹の玉依姫です。

 七面天女は、その昔、日蓮大聖人が説法されている時に、美しい少女に化身して聴聞にあらわれ、見破られると身延山の守護を約束して、蛇身に変じて七面山に帰っていったというお話が残っています。

 七面山から東には、身延山をはさんで、霊峰富士山が見えます。お彼岸の中日には、太陽が富士山の山頂から昇り、七面山本社の本殿奥の深い七面大明神のご神体に向けて、その光の束が放たれるということです。

 私が、このいのちを捧げた木花開耶姫の霊峰富士のお山と、お姿を見せていただいた七面天女の七面山を太陽の光が真一文字にむすぶというその様を、目に思い浮かべてみただけでも、強烈な不思議を感じずにはいられません。

 

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