第一条
和〔わ〕をもって貴しとなし、忤〔さから〕ふことなきを宗〔むね〕となせ。人みな党あり、また達〔さと〕れる者少なし。是をもって、あるいは君父〔くんぷ〕に順はず、また隣里〔りんり〕に違ふ。しかれども、上し和し、下は睦びて、事を論ずるに諧〔かな〕えば、すなはち事理おのづから通すむ、何事か成らざらん。
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(和訳)
うちとけ和らぐことを大事にし、背き逆らうことがないよう心がけなさい。
人はみな徒党を組み、道理をわきまえる者は少ない。
だから、ある者は君主や親にしたがわず、隣近所と仲違いをおこす。
しかし、上下の者が仲よくし、執われの心をはなれて話し合うことができるならば、道理が自然と通り、何事も成就しないことはない。
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