三界は安きことなし 猶お火宅の如し 衆苦充満して 甚だ怖畏すべし 常に生老病死の憂患あり
是の如き等の火 熾然として息(や)まず 如来は已に 三界の火宅を離れて 寂然として閑居し 林野に安処せり 今此の三界は 皆是れ我が有(う)なり
其の中の衆生は 悉く是れ吾が子なり 而も今此の処は 諸の患難多し 唯我一人のみ 能く救護を為す (妙法蓮華経譬喩品第三) |
(和訳)
この世界は、火に焼かれた家のようで、安らかなことはない。
諸々の苦しみが充満して、まことに恐ろしいところである。
常に生老病死の憂いがあり、その火は決して止むことがない。
仏は、すでに、この三界を解脱して、平静な心を得て、森林にただ独り住んでいる。
しかし、この三界は、みな仏の持ちものであり、そこで焼かれて苦しんでいる者たちは、 仏の子である。
だから、仏こそ、彼らを救うことができるのである。
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