関戸久妙 半生記
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4.身延山での修行 |
3.孤独と不安からの出発
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それからというもの、私は日夜、この真実をどうしたら人々に知らせられるのか、神さまとの約束をどうしたら果たせるのか、苦しみ悩んでおりました。 神さまは、私に信仰の道を生き、世の中のために役に立ちなさいと、お示しになっておられる。しかし、修行するにしても、何をどのようにすればよいのか、それさえわかりません。歳もすでに45歳、今から、未知の世界に飛び込んで本当に信仰が貫けるのかどうか、まったく自信もありません。 そこで、「もし、神さまが本当においでなら、お声だけでなく、お姿を見せて下さい」とお願いしました。 これで、信仰一筋に生きてゆく決心がつきました。財産も何もいらない、すべてを義弟にゆずり、私は身一つで家を出ることにしました。
何一つ持たずに家を出た身ですので、生活も苦しい毎日でした。 娘には、なにひとつ買ってやれず、何もしてやれない。親として情けなく辛い日々でした。しかも、娘の働いたお金さえ私がもらって東京に通っているのです。私は泣きながら、娘にすまないと詫びました。 すると、娘は「お母さんは今、東京で学んでこなければならないのだからいいのよ。私だって裸で暮らしている訳じゃないもの。皆さまから、お仕事をさせていただいてお金をもらっているのだから、気にしないで。続けられるうちは、行って下さい」と励ましてくれました。 こうして、一年の間、心霊研究同好会に通い、その間に、娘が嫁に行くことになりました。それを機会に、私は、身延山で修行させていただく決心をしたのでした。 |